出版社系の求人というととにかく「マスコミ系」の金看板や企業ブランドに惹かれて、
「ステキ!」「カッコイイ!」会社に飛びつきたくなりがち。特に新卒時に就職活動に励
んだ方は、大手各社の門を叩きまくって「残念ですから!」攻撃に撃沈させられた経験も
多いのでは?
出版を志すなら「なんでもアリ」の大手ばかりじゃない。その会社でしか提供できない専
門的な情報だけを発信し続ける出版社こそ、仕事のやりがいがあるのでは? ということ
で今回は「知る人ぞ知る」(=知らない人はぜんぜん知らない)専門系・ニッチ系出版社
さんの求人情報をピックアップしてみた。
まずは「オライリー・ジャパン」。オライリーの「オラ」の字を見ただけで色めき立っ
てしまう好事家も多いのでは? というほどコンピュータ書、特にUNIX・インターネット
業界では絶大な信頼を集める版元。表紙に希少動物のイラスト、必要なときには凶器とし
ても使える分厚さでおなじみの「ナットシェル・ハンドブック」は5,000円・6,000円も当
たり前!の超インフレ本。でも常にマニアの垂涎のマトだ。この本のそばに居られるとい
うだけで入社する価値はある。かもしれない。ところで先日、通勤ラッシュでギュウギュ
ウの千代田線でナットシェルを片手持ちで読みふけっていた青年へ。あなたの右手の健康
が心配なので、これを読んでいたらあとで保健室へ来るように。
さらに知る人ぞ知る存在なのが「マイクロマガジン社」。硬派なゲーマーならご存知のはず。広告を入れず、
ゲーム業界にジャーナリズムの視点を! と叫んでがんばっているゲーム専門誌「ゲーム
批評」の出版元として(一部で)超有名。ゲームをプレイする視点に立てば「インド人を右へ!」をコンセプトにしたゲーム誌も大事だけど、一般人のゲーム離
れが問題視されている現状では、批評精神ってとても貴重だ。我こそはと思われる方は
ぜひ入社して盛りたてていってほしいもの。
IT系が続いてしまったので自然に想いをはせてみよう。「アストロアーツ」。あ、でもここもソフトを出しているからIT系だった…。
「ステラナビゲータ」など天体観測関連ソフトを開発している企業。しかし、こどもから
大人まで幅広く楽しめる貴重な天文雑誌「月刊星ナビ」を出版している会社としても、と
ても稀有な存在なのだ。筆者もしし座流星群到来のときなどは非常にお世話になっており
ます。最近のトレンドは望遠鏡+デジカメでの天体撮影。最新号もフォトイメージングエ
キスポの速報で参考になりそう。買ってこようかな…そんな雑誌を出している会社、星好
きのあなたはぜひ。
「知る人ぞ知る」というより「知っている属性の人なら知っている」というタイプの会社
もいくつかピックアップ。「最近のアニメは“電撃系”ばかりで納得いかないゼ!」とい
う方向けに「マッグガーデン」。雑誌→アニメ展開というメディアワークスと同じビジネ
スモデルで最近露出が目立ってきた会社だ。「いや、オレは企業の商業ベースにはハマり
たくない」なら、版元ではないながら「虎の穴」で同人誌バイヤーとして活躍してみるのはいかが。明日の同人業界
を支えるのはアナタだ!
※この記事でリンクしている求人情報は、執筆時点でのものです。すでに求人を締め切っ
ている可能性があります。あらかじめご了承ください。
(仕事ウォッチャー・仁)